りぶのこ

インプットが絶望的に足りないことに気が付いた同人文字書きの読書日記〜kindle unlimitedを添えて〜

『あひる』今村夏子/書肆侃侃房

私は活字中毒全盛期――それこそ新聞広告の「このブレスレットを買ったら宝くじが当たりました!」の体験談すらをもせっせと読み漁っていたような小学生時代――は、親の影響で赤川次郎作品を読み、中学時代はコバルト文庫角川ビーンズ文庫ときて、高校生になると有川浩にどハマりした典型的な大衆文学大好き人間なのだが、なぜ読書リハビリの記念すべき一冊目に芥川賞候補作を選んでいるのか。
そこは直木賞作品を選ぶべきところだが、始めたばかりで今ひとつ検索に戸惑うkindle unlimitedの小説カテゴリでわりと序盤に出てきた&年始の読書芸人で紹介されたのでぽちっと選んでみた。
Unlimited凄い。読み放題だから選ぶことに躊躇がない。

感想

優しい文体で書かれていて、短編三本でページ数もそんなに多くないので、テンポ良く最後まで読みきれた。
でもとにかく読後感がざわ…ざわ……。
モヤッとするわ、ざわつくわ。
表題作に関して言えば、あひるの「のりたま」はかわいいし、のりたま目当てで主人公の家に通ってくる小学生たちも覚えがあって微笑ましい。なのに弱っては他のあひるに入れ替わるのりたまに、入れ替わりについて言及しない大人と子供、あひるのいなくなった家に弟家族の里帰りと色々と心がざわざわして仕方がない。
そもそも、主人公の存在に私の心はざわつくのだ。
主人公は就職浪人かな…はたまた引きこもりで大学は退学したのかな…、そんなことを思うと色々胸が苦しい。
残りの短編二作も孔雀やら誕生日会やら話が繋がっているのか繋がっていないのかでモヤモヤするし、不完全燃焼な気がしてならないのだが、この想像の余地が純文学というものなのだろうか。
Amazonレビューや読書メーターの感想を見ると大好評だが、いかんせん読み慣れない純文学作品に、面白いのか読書芸人しかり他人が面白いと言っているから面白い気がするのかわからなくなってきた。
話が面白くて結末が気になるからこそ読み急いで、でも結局ふわりと終わってしまうのでモヤモヤが残る。想像するのは楽しいけど答えも欲しいジレンマ。
色々言ったが、やはり短い時間で一気に読まされたという点では大変魅力ある作品だ。
前作『こちらあみ子』も読んでみたい。


カーリルで開く

913.6

WHAT IS りぶのこ

はじめまして。
インプットが絶望的に足りないことに気が付いてしまった同人文字書きです。
kindle unlimited様のお力を借りて、読書人間に戻るべく奮闘していきたいと思います。
昔から読書記録とか読書日記とか続いた試しがないので、そういう意味でも奮闘していきたいと思います。わーい。

 

10代の頃に活字中毒を拗らせて同人世界にやってきたlibnoko氏。
文字書きとして、数多の沼に嵌まりながらも創作生活を送ること幾星霜。
もしかしなくても文章書くの下手になってない?
そう思った時、二次創作以外の本を殆ど読まなくなっていたことに気が付いてしまったのです。
先人たちは言っています。
「インプットなくしてアウトプットは有り得ない」
文章レベル向上を目標に掲げ、libnokoは天下のAmazonが生み出した化け物サービス"kindle unlimited"に手を伸ばすのでした。


基本的に読んだ本の感想を徒然なるままに。
オタク特有の言い回しが悪目立ちすることがありますが、寛大な御心で目を逸らしてください。